ほうれい線のヒアルロン酸、どの製剤を選ぶ?

JOURNAL / HYALURONIC ACID

ほうれい線のヒアルロン酸、どの製剤を選ぶ?

ほうれい線に使うヒアルロン酸は一種類ではありません。

注入する深さや目的によって、 必要な硬さやなじみ方が異なるため、 当院では部位ごとに製剤を使い分けています。

ただし、その前に大切にしていることがあります。

ヒアルロン酸は、あくまで「ボリュームを足す治療」であるということです。

ヒアルロン酸を注入することで、 凹みを補ったり、支持を加えたり、 結果としてたるみを軽く見せることはできます。

しかし、ヒアルロン酸だけでたるみを治そうとして ボリュームを足し続けると、 顔全体が大きく、重く見えてしまうことがあります。

an clinicでは、 まず必要なたるみ治療を行ったうえで、 それでも残る凹みや支持不足に対して、 必要な場所に、適した製剤を、必要最低限だけ。 という考えでヒアルロン酸を使用しています。

MEDICAL REVIEW

AN CLINIC MOTOMACHI 院長

この記事の著者

AN CLINIC MOTOMACHI

  院長 荒井美香

an clinic(あんクリニック)院長
美容外科・美容皮膚科 / 麻酔科

  • 日本美容外科学会(JSAS)専門医
  • 麻酔科認定医・標榜医
  • 日本抗加齢医学会専門医

神戸元町・三宮にあるan clinic(あんクリニック)院長。
救急・麻酔科での診療経験を経て、美容医療に従事。 美容医療歴約7年。治療そのものだけでなく、 痛みや不安にも配慮した美容医療を大切にしています。

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OUR APPROACH

ヒアルロン酸は「足す」ことでしか治療できない。

ヒアルロン酸は、ボリュームを補う治療です。

凹みを埋める。骨格の不足を補う。支持を加える。

その結果として、ほうれい線が浅くなったり、 顔がリフトアップしたように見えたりすることがあります。

ただし、ヒアルロン酸そのものが 下がった組織を元の位置に戻しているわけではありません。

だから、たるみ治療をヒアルロン酸だけで続けていくと。

足す。
また足す。
さらに足す。

たるみを目立ちにくくするために ボリュームを追加し続けることになり、 顔全体が必要以上に大きく、重く見えてしまうことがあります。

an clinic POLICY

先にたるみを整える。
ヒアルロン酸は、最後に必要な分だけ。

当院では、たるみが原因であれば、 まずその方に必要なたるみ治療を検討します。

そのうえで残った骨格的な凹みやボリューム不足、 脂肪層の段差、浅いしわなどに対して、 ヒアルロン酸を使用します。

必要な場所に、適した製剤を、必要最低限の量だけ。

これが、当院のヒアルロン酸治療の基本的な考え方です。

HOW TO CHOOSE

ヒアルロン酸製剤は、何を基準に選ぶ?

ヒアルロン酸には、たくさんの種類があります。

製剤によって細かな特徴は異なりますが、 ほうれい線治療で製剤を選ぶとき、 当院では大きく 「硬さ」と「持続期間」 を考えます。

01

硬さ

HARDNESS

硬い製剤が優れている、 柔らかい製剤が自然、ということではありません。

どこに入れるのか。
何のために入れるのか。

深い場所でしっかりと支持を作りたい場合と、 浅い場所の細かな段差をなじませたい場合では、 求める性質が違います。

02

持続期間

DURATION

もうひとつ大切なのが、 どのくらい効果が持続する製剤なのか、ということです。

ほうれい線は、繰り返しボリュームを追加したい場所ではありません。

そのため当院では、 適切な場所に使用できる製剤であれば、 できるだけ持続期間の長いもの を選ぶことを基本にしています。

IN SHORT

硬さは、入れる場所と目的で選ぶ。
持続期間は、できるだけ長いものを選ぶ。

DEPTH & PURPOSE

入れる場所によってヒアルロン酸を変える。

「ほうれい線にヒアルロン酸を入れる」といっても、 いつも同じ場所に、同じ製剤を注入するわけではありません。

顔は、皮膚、皮下脂肪、筋肉、骨など、 深さによって異なる組織でできています。

どの層に、何の目的で入れるのか。
それによって、選ぶ製剤も変わります。

表皮・真皮・皮下脂肪・筋肉・骨膜・骨の構造を示した模式図
皮膚から骨までの模式図。 実際の厚さや構造は、顔の部位によって異なります。

THE SAME FOLD, DIFFERENT DEPTHS

同じ「ほうれい線」でも、
治療する場所はひとつではありません。

01 DEEP

骨に近い深い層

骨格的な凹みを補う。深部から支持をつくる。

鼻翼基部や梨状口周囲では、 骨格的な凹みがほうれい線を深く見せていることがあります。

このような場合には、 表面の溝を埋めるだけではなく、 骨に近い深い層から土台を補う ことを考えます。

SELECT 硬めの製剤

深部で形や支持をつくる目的では、 少量でも形を保ちやすい製剤を選びます。

AT an clinic

当院では、埋もれ鼻や梨状口縁などの深い層には

NEAUVIA Intense ニュービア インテンス
JUVÉDERM VOLUX XC ボラックスXC

などを、状態や目的に応じて選択しています。

02 FAT LAYER

皮下脂肪の層

脂肪のボリューム差による段差をなだらかにする。

ほうれい線は、 一本の「溝」だけでできているわけではありません。

頬側と口元側の組織のボリューム差によって生じる段差が、 ほうれい線として見えていることもあります。

SELECT なじみやすい製剤

この層では、強い支持をつくることよりも、 周囲になじませながら段差を整えることを重視します。

AT an clinic

当院では、このようなほうれい線の調整には

JUVÉDERM VOLIFT XC ボリフトXC

などを使用しています。

03 SUPERFICIAL

皮膚に近い浅い層

最後に残った浅いしわを整える。

深い層や脂肪層を整えても、 皮膚表面には細かな折れ癖や浅いしわが残ることがあります。

浅い場所では、 深部と同じような硬い製剤を使うのではなく、 皮膚になじみやすい柔らかな製剤 を選びます。

SELECT 柔らかい製剤

強く形をつくるのではなく、 浅いしわや細かな凹凸になじませることを目的に選びます。

AT an clinic

当院では、浅いしわの状態に応じて

JUVÉDERM VOLBELLA XC ボルベラXC
JUVÉDERM VOLITE XC ボライトXC

などを使い分けています。

OUR APPROACH

深いところには、深いところの役割。
浅いところには、浅いところの役割。

ひとつの製剤ですべてを治療するのではなく、 どこを補うのか、何を整えるのかを考えて、 層と目的に合わせて製剤を選びます。

※実際に使用する製剤、注入する層や量は、 骨格、脂肪量、皮膚の状態、ほうれい線の原因などによって異なります。

DURATION

ほうれい線では、
「どのくらい持つか」も大切。

ヒアルロン酸製剤には、 硬さやなじみ方だけでなく、 持続期間にも違いがあります。

もちろん、 「長く持つ製剤ほど優れている」 というわけではありません。 まず大切なのは、 注入する場所と目的に合った製剤であることです。

そのうえで当院では、 ほうれい線に使用する製剤では、 持続性も重視しています。

WHY DURATION MATTERS

できるだけ頻回に
注入しなくていい治療を。

ヒアルロン酸は、 時間が経てば必ず完全にゼロになる、 と単純に考えられるものではありません。 過去に注入した製剤が 長期間残存していることもあります。

また、同じ部位への注入を繰り返せば、 残存したヒアルロン酸や、 注入後の組織変化が 積み重なっていく可能性があります。

さらに、注入治療はそのたびに 皮膚から針やカニューレを入れる処置です。 1回ごとのリスクは小さくても、 必要のない穿刺を何度も繰り返さないこと も大切だと考えています。

an clinic APPROACH

適した製剤を、必要な量だけ。
そして、できるだけ長く。

短期間で何度も追加することを前提にするのではなく、 注入する場所と目的に適した製剤を選び、 必要最小限の治療で維持する。 これが、当院がほうれい線治療で 持続性を重視する理由です。

※ヒアルロン酸の残存期間には個人差があり、 使用する製剤、注入部位、注入量などによっても異なります。

FAQ

ほうれい線のヒアルロン酸よくある質問

Q ほうれい線には、硬いヒアルロン酸の方がいいですか?
A

一概に、硬い製剤の方がよいわけではありません。

骨に近い深い層で支持をつくりたい場合には硬めの製剤、 脂肪層の段差を整える場合にはなじみやすい製剤、 皮膚に近い浅いしわには柔らかい製剤というように、 注入する場所と目的に合わせて選びます。

Q ヒアルロン酸は、製剤によって持続期間が違いますか?
A

はい。製剤によって物性や持続性は異なります。 また、実際の持続期間は注入する部位や量、 個人差などによっても変わります。

当院では、まず注入部位と目的に適した製剤であることを前提に、 ほうれい線では持続性も重視して製剤を選んでいます。

Q ヒアルロン酸は、時間が経てば完全になくなりますか?
A

注入したヒアルロン酸は徐々に分解されていきますが、 「○か月経てば必ず完全にゼロになる」と 単純に考えられるものではありません。

製剤や注入部位などによっては、 想定される効果の持続期間を過ぎても ヒアルロン酸が溶けきれずに残存していることがあります。

Q 以前入れたヒアルロン酸が残っていても、追加できますか?
A

残っているから必ず追加できない、というわけではありません。 一方で、残存しているヒアルロン酸の量や場所を考えずに 繰り返し追加することはおすすめしていません。本来の溶ける期間をはるかに超えて残っている場合は、今後も溶けきることは難しいことが予想されるため、ヒアルロン酸溶解注射で溶かすことをお勧めします。

過去の注入歴や現在の形、触診所見などを確認したうえで、 溶解が必要なのか、追加すべきか等を判断することが大切です。

Q ほうれい線には、ヒアルロン酸を何cc入れますか?
A

必要量は、ほうれい線の深さだけでは決まりません。

骨格の凹みを補うのか、脂肪層の段差を整えるのか、 浅いしわを整えるのかによって、 注入する場所も必要な量も変わります。

当院では最初から「何cc入れる」と決めるのではなく、 必要な場所に、必要最低限の量を使う ことを基本にしています。

Q ほうれい線は、ヒアルロン酸だけで治療できますか?
A

ヒアルロン酸が適しているほうれい線もありますが、 すべてをヒアルロン酸だけで治療するわけではありません。

たるみの影響が大きい場合に、 ヒアルロン酸だけで改善しようとすると、 必要以上のボリュームを足すことになる場合があります。

当院では、必要に応じてたるみに対する治療を先に行い、 それでも残る骨格的な凹みやボリューム不足などに ヒアルロン酸を必要最低限追加する という考え方をしています。

SUMMARY

ほうれい線のヒアルロン酸。大切なのは「何を、どこに入れるか」。

ほうれい線に使うヒアルロン酸は、 一種類ではありません。

骨格的な凹みを補うのか。
脂肪層の段差を整えるのか。
最後に残った浅いしわを整えるのか。

同じ「ほうれい線」でも、 注入する場所と目的によって、 適した製剤は変わります。

an clinic APPROACH

必要な場所に、適した製剤を、必要最低限だけ。

ヒアルロン酸は「足す治療」です。

だからこそ、ヒアルロン酸だけで たるみやほうれい線のすべてを解決しようとせず、 必要であれば先にたるみを整える。

そのうえで残った凹みやボリューム不足に対して、 場所と目的に合った製剤を選び、 必要な量だけを注入する。

当院では、 「何を入れるか」と同じくらい、 「どこに、どれだけ入れるか」 を大切にしています。