JOURNAL / NOSE DESIGN
埋もれ鼻とは?
鼻が頬に埋もれて垢抜けない
「鼻を高くしたい」
「もう少し鼻先を出したい」
「鼻が短く見える」
そんな時、本当に足りないのは 「鼻の高さ」でしょうか。
鼻そのものが低いというより、 鼻の土台との位置関係によって、 鼻が頬の中に埋もれて見えている埋もれ鼻 の可能性があります。
01
「埋もれ鼻」って、どんな鼻?
「鼻が低い気がする」「鼻先がもう少し前に出てほしい」「鼻が頬に埋もれている」
こうしたお悩みの中には、 単純に鼻背の高さが足りないわけではない ことがあります。
横から見ると鼻の根元が頬に隠れて見えない状態で、 正面から見ると鼻が頬の中に 少し埋もれているように見える。
当院では、このような鼻を わかりやすく「埋もれ鼻」と呼んでいます。
鼻が低いというより、鼻を支える骨自体が低いため 鼻が沈んでうまく前に出て見えない。 という状態です。
ここで大切なのは、 「鼻を高く見せる=鼻背にヒアルロン酸を足す」ではないことがある、ということです。
実際に鼻の高さが気になる場合は、
鼻背の高さだけではなく、
鼻柱・その土台となる部分への注入が効果的な場合があります。
そもそも鼻尖部(鼻先)に直接ヒアルロン酸を入れても、その皮膚の厚さからその形状を維持することは難しいため、鼻尖部にはヒアルロン酸を入れないことが一般的です。
一方、鼻先の形にこだわるのであれば、手術が必要になります。
糸で鼻の形を変える方法もありますが、賛否両論ある治療法です。
02
鼻を支えている「土台」の話。
鼻の高さや形を考えるとき、 どうしても「鼻そのものの高さ」に 目が向きがちです。
でも、鼻は単独で浮いているわけではありません。
鼻先を形づくる軟骨は鼻柱へとつながり、 そのさらに奥には、 鼻を下から支える骨格があります。
ANATOMY
前鼻棘(Anterior Nasal Spine)
この図の中央下にある、 上顎骨から前方へ突き出している部分が 前鼻棘(ANS)です。
外から直接見える骨ではありませんが、 鼻柱や鼻先を考えるうえで重要な、 鼻の土台となる構造のひとつです。
「鼻が低い」のではなく、土台との位置関係かもしれない。
上の図では、 鼻中隔が短い場合、水色で示した部分にヒアルロン酸を足すことで鼻を少し口側にかつ、鼻のバランスを整えることができます。 また、ピンクで示した部分が埋もれ鼻の主な要因であり、この場所が低いと鼻の始まりが低くなるため頬に埋もれて見えてしまいます。
鼻そのものの高さだけを見るのではなく、 鼻中隔や鼻柱側の構造に対して、 それを下から支える前鼻棘側が どのような位置にあるのかを見ることも大切です。
この位置関係によっては、 鼻背そのものが極端に低いわけではなくても、 鼻柱や鼻先が十分に前へ出て見えず、 鼻全体が顔の中に埋もれたような印象 になることがあります。
このように、鼻を変えたい、という希望の裏には、鼻の高さだけではない原因があります。
では、 この「鼻の土台」にボリュームを加えることで、 鼻柱や鼻先の見え方は本当に変わるのでしょうか。
実は、この考え方を検討した 興味深い研究があります。
03
鼻の土台を支えると鼻先は変わる?
この考え方を検討した、 興味深い報告があります。
2011年に報告された研究では、 アジア人の鼻において、 鼻先の突出が少なく見える背景には、 前鼻棘(ANS)の位置が関係している可能性 が検討されました。
STUDY
鼻背ではなく、鼻の土台に注入した研究
この研究では30人を対象に、 鼻翼軟骨内側脚のfootplateと 前鼻棘(ANS)の間 にヒアルロン酸を注入しています。
注入量はおよそ 0.3〜0.5mLでした。
その結果、 鼻先の前方への突出や、 鼻柱と上口唇の角度など、 鼻全体の見え方に変化が認められました。
この研究で興味深いのは、 鼻背に高さを足したわけではない という点です。
鼻の土台にあたる部分へボリュームを加えることで、 鼻柱が支えられ、 それに伴って鼻先の見え方も変化しています。
鼻先を前に見せたいからといって、
必ずしも鼻そのものに
注入する必要があるとは限らない。
もちろん、 この研究だけで すべての「短く見える鼻」に 同じ治療が適していると結論づけることはできません。
ただ、 鼻の形は鼻背の高さだけではなく、 鼻先・鼻柱・その土台の関係で見え方が変わる ということを考えるうえでは、 とても興味深い報告です。
04
土台から支える。
「鼻をもう少し高くしたい」 というご希望に対して、 鼻そのものにヒアルロン酸を入れる方法もあります。
当院では、 ご希望の鼻に近づくためには何が必要か を考え、治療計画を作ります。
鼻に足すのではなく、
鼻を支えている場所から考える。
鼻が短く見えたり、 鼻先が顔の中に埋もれて見えたりする場合には、 鼻柱基部から鼻中隔下部周辺へ アプローチすることがあります。
この部分を支えることで、 鼻柱や鼻先の位置関係が変わり、 鼻先がわずかに前方へ出て見えたり、 鼻全体が少し長く見えたりする場合があります。
「高くする」と「前に出す」は、少し違う。
鼻背にヒアルロン酸を入れると、 鼻筋の高さを出すことができます。
一方、埋もれ鼻で考えたいのは、 単純な鼻背の高さだけではありません。
鼻柱がどの程度見えているのか。 鼻が顔に対してどの程度前方へ出ているのか。
そうした鼻全体の位置関係を見ながら、 必要な場所に必要な量だけ ヒアルロン酸を使用します。
「鼻を高くしたい」から、とりあえず鼻筋に入れる。
そうではなく、 まずなぜ鼻が低く、短く見えているのかを 考えることが大切です。
05
埋もれ鼻なら、誰でもヒアルロン酸で変えられる?
ここまで読むと、 「鼻が短く見えるなら、鼻が埋もれて見えるなら、鼻の土台にヒアルロン酸を入れればいい」 と思うかもしれません。
でも、すべての方に 同じ方法が適しているわけではありません。
鼻の形は、 骨・軟骨・皮膚や軟部組織、 そしてそれぞれの位置関係 によって作られています。
同じように「鼻が短い」「鼻が埋もれている」と感じていても、 その理由は一人ひとり違います。
WHAT WE LOOK AT
埋もれ鼻check。あてはまると埋もれ鼻の可能性?
- 01 小鼻の横に影ができる
- 02 若い頃からほうれい線が目立つ
- 03 頬が目立ち鼻が小さく見える
- 04 横から見た時に鼻の付け根が頬に隠れる
- 05 触ると小鼻の下の骨が低い
あてはまる項目が多い場合、埋もれ鼻かもしれません。
同じ「鼻を高くしたい」でも、必要な治療は同じではありません。
ヒアルロン酸でできることには、限界もあります。
ヒアルロン酸は、 ボリュームを加えることで 鼻のラインや一部の位置関係を整える治療です。
一方で、 骨や軟骨そのものの形を変える治療ではありません。
希望する変化が大きい場合や、 鼻の骨格・軟骨そのものを変える必要がある場合には、 ヒアルロン酸だけでは希望する形を作れないこともあります。
だからこそ当院では、 「どこに何mL入れるか」から考えるのではなく、 まず、なぜその鼻がそう見えているのか を診ることを大切にし、注入で難しい場合は手術をお勧めしております。
FAQ
埋もれ鼻について、よくある質問
埋もれ鼻とは、どんな鼻ですか?
当院では、鼻そのものが極端に低いわけではなくても、 鼻柱や鼻先が十分に前へ出て見えず、 鼻全体が頬の中に埋もれているように見える状態を、 わかりやすく「埋もれ鼻」と表現しています。
「埋もれ鼻」は医学的に統一された診断名ではありません。 鼻背の高さだけでなく、鼻先・鼻柱・鼻を支える土台の 位置関係を見ながら判断します。
鼻が短く見えるのも、埋もれ鼻ですか?
合併している可能性はありますが、 鼻が短く見える原因は鼻中隔が関係している可能性があります。
鼻背の高さ、鼻先の突出、鼻柱の位置、 骨や軟骨、軟部組織などによっても見え方は変わります。 そのため、鼻が短く見えるというだけで 埋もれ鼻が唯一の原因と判断することはできません。
埋もれ鼻はヒアルロン酸で変えられますか?
鼻の形によっては、 ヒアルロン酸で変化を出せることがあります。
鼻背に高さを足すだけではなく、 鼻柱基部から鼻中隔下部周辺を支えることで、 鼻柱や鼻先が前方へ出て見え、 鼻全体の印象が変わる場合があります。
鼻先にヒアルロン酸を入れるのですか?
鼻尖そのものにヒアルロン酸を注入する方法もありますが、 当院では鼻尖への直接注入は基本的に行っていません。
鼻先を変えたい場合にも、 鼻先そのものに足すのではなく、 鼻を支える土台から整える方法を検討します。
前鼻棘にヒアルロン酸を入れると、鼻先が高くなりますか?
前鼻棘周辺の土台を補うことで、 鼻柱や鼻先の見え方が変化する場合があります。
2011年の30例の報告では、 鼻翼軟骨内側脚のfootplateと前鼻棘(ANS)の間に ヒアルロン酸を注入したところ、 鼻尖の突出度や鼻柱と上口唇の角度などに 有意な変化が認められました。
ただし、すべての鼻に同じ変化が得られるわけではありません。
埋もれ鼻なら、誰でもヒアルロン酸だけで治せますか?
いいえ。ヒアルロン酸でできることには限界があります。
ヒアルロン酸はボリュームを補う治療であり、 骨や軟骨そのものの形を変える治療ではありません。 希望する変化や鼻の構造によっては、 手術の方が適している場合もあります。
SUMMARY
埋もれ鼻は、「高さ」だけの問題ではない。
鼻が低く、短く見える原因は、 鼻背の高さだけとは限りません。
鼻柱や鼻先と、 前鼻棘(ANS)を含む鼻の土台との位置関係 も、鼻の見え方に関係します。
鼻の土台を支えることで、 鼻先の突出感や鼻全体の見え方が変わる 場合があります。
鼻先を変えたいからといって、 必ずしも鼻先そのものに注入することはありません。
鼻背に高さを足すよりも、 鼻を支える土台を整える方が自然に見える こともあります。
ただし、骨格や軟骨の形によっては ヒアルロン酸だけでは十分な変化が難しい場合もあります。
鼻を高くする前に、なぜ、その鼻が低く見えているのか。
鼻そのものだけでなく、 鼻先・鼻柱・鼻を支える土台まで含めて考えることが、 自然な鼻のデザインにつながります。


