JOURNAL / FACIAL AGING
顔のたるみは、なぜ起こる?
顔のたるみは、
皮膚だけの問題ではありません。
皮膚・脂肪・筋肉・骨。
顔をつくる複数の層がそれぞれ加齢変化することで、
「たるみ」として現れます。
FIRST
「顔がたるむ」は、単純な下垂ではありません
年齢を重ねると、 「頬は痩せてきたのに、ほうれい線は深くなった」 「目の周りはくぼんだのに、フェイスラインは重くなった」 と感じることがあります。
一見すると矛盾しているようですが、 顔の加齢変化を考えると不思議ではありません。
顔の老化では、 減るところ・下がるところ・余るところ・重く見えるところ が同時に生まれます。
その理由は、顔が一枚の組織でできているのではなく、 皮膚・脂肪・筋肉・骨という 複数の層からできているためです。
それぞれの層は、年齢とともに異なる変化を起こします。 そして、その変化が重なった結果として、 ほうれい線、マリオネットライン、ジョール、 フェイスラインのもたつきなどが現れます。
4 LAYERS
顔のたるみをつくる、
4つの層
顔の加齢変化は、皮膚だけで起こるものではありません。 皮膚・脂肪・筋肉・骨がそれぞれ変化し、 その影響が重なって「たるみ」として見えてきます。
01
SKIN
皮膚
弾力が低下し、薄く、伸びやすくなる。
02
FAT
脂肪
部位によってボリュームを失い、 下顔面では重さが目立つようになる。
03
MUSCLE
筋肉
筋肉やその周囲の支持構造も変化し、 顔全体の形態に影響する。
04
BONE
骨
骨格そのものも加齢し、 軟部組織を支える土台が変化する。
01 / SKIN
皮膚は弾力を失い、薄くなる
顔の一番外側を覆っている皮膚も、 年齢とともに変化します。
加齢に伴って皮膚のコラーゲンや弾性線維などが変化すると、 皮膚の弾力やハリが低下し、薄く、伸びたような状態 になっていきます。
WHAT HAPPENS?
中身を包む「外側」が変化する
若い頃の皮膚には弾力があり、 顔の脂肪やその下にある組織を覆っています。
ところが皮膚の弾力が低下すると、 下にある組織の変化に対して皮膚が余りやすくなり、 細かなシワやたるみ、フェイスラインのゆるみ として見えるようになります。
でも、たるみは「皮膚が伸びた」だけではない
ここで大切なのは、 顔のたるみをすべて皮膚の変化だけで説明しないことです。
皮膚の下では脂肪のボリュームや位置が変わり、 さらに深いところでは筋肉や骨格も変化しています。
つまり、表面に見えている「皮膚の余り」は、 皮膚そのものの変化と、その内側にある組織の変化が 重なって生じていることがあります。
02 / FAT
頬は痩せるのに顔の下半分は重くなる
年齢とともに顔がたるむと、 「脂肪が増えて下に落ちてきた」と考えたくなります。
しかし、顔の脂肪の加齢変化はそれほど単純ではありません。 実際には、 ボリュームを失う部分と、下方の重さが目立つ部分が 同じ顔の中に同時に現れます。
FAT COMPARTMENTS
顔の脂肪は、一枚ではない
顔の脂肪は、ひとつながりの大きな脂肪の塊ではありません。 複数の脂肪コンパートメントと呼ばれる 区画に分かれています。
そして、加齢による変化もすべての脂肪で同じではありません。 部位や深さによって、ボリュームの減少や位置・形態の変化が 異なって起こります。
チークトップは痩せ、下顔面は重く見える
若い顔では、頬の高い位置にボリュームがあり、 なめらかな曲線をつくっています。
加齢によって頬の脂肪、特に深部のボリュームが失われると、 チークトップの高さや前方へのふくらみが減少し、 頬が平坦になっていきます。
一方で、下顔面では ほうれい線や口横、マリオネットライン、 ジョールやフェイスラインの重さが目立つようになります。
VOLUME LOSS
上では、減る
チークトップや頬のボリュームが失われ、 平坦さやくぼみが目立つ。
LOWER FACE
下では、重く見える
ほうれい線、口横、マリオネットライン、 ジョールなどが目立つ。
「頬が痩せた」と「顔がたるんだ」は、 同時に起こります。
だから、たるみに「脂肪を減らす」だけでは足りない
下顔面が重く見えるからといって、 顔全体の脂肪を減らせばよいわけではありません。
すでにボリュームを失っている部分の脂肪まで減らしてしまうと、 頬のこけや平坦さが強くなり、 かえって年齢を感じさせる輪郭になることがあります。
顔の脂肪を見るときには、 「どこに脂肪が多いか」だけでなく、 「どこが減っているか」も同時に見る ことが大切です。
03 / MUSCLE
筋肉も顔の形を支えている
顔の筋肉は、表情をつくるだけではありません。 皮膚や脂肪、その周囲の支持組織と関わりながら、 顔全体の形態をつくっています。
加齢による顔の変化では、 筋肉そのものだけでなく、 筋肉を取り巻く筋膜や支持組織、さらにその土台となる骨格の変化 も重なります。
MUSCLE & SUPPORT
筋肉だけが単独で下がるわけではない
顔の軟部組織は、 皮膚・脂肪・筋膜・筋肉などが互いに関係しながら ひとつの形をつくっています。
そのため、加齢によるたるみを 「筋肉がゆるんだから」と ひとつの原因だけで説明することはできません。
周囲の支持構造や骨格が変化すれば、 同じ筋肉でも力のかかり方や見え方が変わることがあります。
表情筋の動きは、しわや輪郭にも影響する
顔の筋肉は日常的に繰り返し動いています。 その動きは、表情じわだけでなく、 周囲の皮膚や脂肪の見え方にも影響します。
とくに口元や下顔面では、 複数の筋肉が引っ張り合いながら輪郭をつくっているため、 加齢による組織の変化が重なると、常時筋肉に力が入りやすくなり 口角やマリオネットライン、フェイスラインの印象 にも影響します。
顔のたるみは、 「筋肉がゆるんだ」だけでは説明できません。
皮膚・脂肪・筋肉、そしてそのさらに奥にある骨。 それぞれの変化が重なって、 はじめて今の顔の形がつくられています。
04 / BONE
皮膚が余ったのではなく、土台が小さくなった
顔の骨格は、成人したら一生同じ形のまま、 というわけではありません。
顔面骨も年齢とともにリモデリングし、 部位によって骨吸収や形態の変化が起こります。
FACIAL SKELETON
顔を支える「足場」そのものが変化する
加齢による骨格変化は、顔全体で均一に起こるわけではありません。
代表的には、 眼窩は拡大し、梨状口周囲では骨の支持が減少します。 また、上顎骨や下顎骨にも加齢による形態変化が起こります。
つまり、皮膚や脂肪を下から支えている 「土台」そのものが変わっていくのです。
ORBIT
眼窩
骨性眼窩が拡大し、 目周りの軟部組織を支える骨格が変化します。
PIRIFORM APERTURE
梨状口
梨状口周囲の骨格も変化し、 鼻翼基部や中顔面を支える構造に影響します。
MANDIBLE
下顎骨
下顎骨にも加齢によるリモデリングが起こり、 下顔面を支える骨格の形が変化します。
「上が余った」のではなく、「下が減った」こともある
これは、顔のたるみを考えるうえで とても大切な視点です。
皮膚や脂肪などの軟部組織だけを見ていると、 「年齢とともに皮膚が伸びて余った」 ように見えます。
しかし、その下にある骨格の支持が減少すれば、 上に載っている軟部組織とのバランスも変化します。
皮膚の弾力低下、脂肪のボリューム変化、 筋肉や支持組織の変化。 そこに骨格の変化まで重なることで、 顔全体のバランスは少しずつ変わっていきます。
だからこそ、顔のたるみは 表面だけを見て治療を選ぶことができないのです。
TREATMENT
当院での治療の考え方
ここまで見てきたように、 顔のたるみはひとつの原因で起こるものではありません。 だから、お一人お一人のお顔を診察して、最も影響を及ぼしている要因を中心に治療していきます。
脂肪吸引・糸リフト・ショートスレッド・ボトックス・ヒアルロン酸・モフィウス8。
大手美容外科で長年、すべての施術をやり続けてきた院長が、必要な治療を選び設計します。
01 / SKIN
皮膚のゆるみが大きい
弾力の低下・薄さ・皮膚の余り
皮膚・皮下組織を引き締める
皮膚そのもののゆるみが目立つ場合には、 RFなどを用いて皮膚や皮下組織へ アプローチする治療を検討します。
02 / FAT
脂肪の偏りが大きい
減っているところ・重くなっているところ
減らす・残す・補うを考える
下顔面の脂肪が多ければ減らすことを考えますが、 頬などすでにボリュームを失っている部分は さらに減らさないことも大切です。
03 / DESCENT
下垂が大きい
頬・口横・フェイスラインの位置変化
位置を整える
組織の下垂が輪郭変化に大きく関与している場合には、 位置を整える治療を検討します。
04 / SUPPORT
土台の支持が少ない
骨格・深部ボリュームによる支持の減少
失われた支持を補う
骨格や深部のボリューム変化が大きい場合には、 必要な部分の支持を補うことを検討します。
SHORT THREAD
大きく位置を動かさず、
自然に整えたい場合
ショートスレッドは、大きく引き上げるというより、 頬・口横・フェイスラインなどに複数の短い糸を配置し、 ハリや引き締まりを目指す治療です。
実際の顔では、皮膚だけ、脂肪だけ、骨格だけが 変化していることはほとんどありません。 複数の変化が重なっているからこそ、 ひとつの治療ですべてを解決しようとしないこと も大切です。
FAQ
よくある質問
顔のたるみは何歳くらいから始まりますか?
顔の加齢変化はある日突然始まるものではなく、
皮膚・脂肪・筋肉・骨格の変化が少しずつ積み重なっていきます。
見た目として気になり始める時期には個人差がありますが、
「頬の高さが減った」「ほうれい線が深くなった」
「フェイスラインがぼやけてきた」と感じたときには、
複数の層で変化が起きていることがあります。
たるみを感じる年齢は人それぞれですが、
日々の診療での傾向でいうと、40歳前後が多く感じます。
痩せればフェイスラインのたるみは改善しますか?
必ずしもそうではありません。 下顔面の脂肪が多い場合には、脂肪を減らすことで すっきりすることがあります。 一方で、すでに頬のボリュームが減っている場合には、 さらに脂肪が減ることで頬こけやたるみが目立つこともあります。 顔では「脂肪が多いか」だけでなく、 どこが減っていて、どこが重く見えているか を見ることが大切です。
顔の脂肪を減らす治療について詳しく読む →ヒアルロン酸でたるみは改善できますか?
ヒアルロン酸は、すべてのたるみを直接引き上げる治療ではありません。 骨格や深部ボリュームの減少によって支持が少なくなっている部分を補うことで、 顔全体のバランスを整える目的で用いることがあります。 一方、皮膚のゆるみや脂肪の重さが主な原因であれば、 別の治療が適していることもあります。
ヒアルロン酸とたるみについて詳しく読む →糸リフトとモフィウス8は、どちらがたるみに効きますか?
どちらが上というより、作用するポイントが異なります。
糸リフトは組織の位置変化が大きい場合に、
モフィウス8は皮膚のゆるみや脂肪のボリュームも
一緒に気になる場合に選択肢となります。
実際には、複数の変化が重なっているため、
組み合わせて考えることもあります。
基本的には、肌が柔らかすぎると糸リフトの牽引が効きにくいため、
先にモフィウス8を2〜3回行い、
肌を引き締めたうえで糸リフトを行うことをおすすめする場合があります。
顔の脂肪は減らした方が、たるみは改善しますか?
顔全体の脂肪を減らせばよいわけではありません。
加齢では、頬などボリュームが減る部分と、
下顔面で重さが目立つ部分が同時に現れることがあります。
そのため、
減らす脂肪と残す脂肪を分けて考えること
が重要です。
脂肪が多すぎると糸リフトで引き上げるのが難しく、
維持期間にも影響することがあるため、
脂肪量が多い場合には注意深く減らすことを検討します。
SUMMARY
たるみは、1つが原因ではない
顔のたるみを見ると、 つい「皮膚が下がった」と考えてしまいます。
しかし実際の顔では、 皮膚・脂肪・筋肉・骨が それぞれ異なる加齢変化を起こしています。
弾力を失い、薄く、ゆるみやすくなる
減る部分と、下顔面で重く見える部分が生まれる
周囲の支持組織や骨格との関係も変化する
顔を支えていた土台そのものが変化する
その結果、
頬は痩せているのに、ほうれい線は深くなる。
顔の上はボリュームを失っているのに、
フェイスラインは重くなる。
こうした一見矛盾する変化が、 同じ顔の中で同時に起こります。
ひとつの治療ですべてを解決しようとするのではなく、 皮膚・脂肪・筋肉・骨格の変化を見ながら、 必要な治療を選ぶことが大切です。
神戸・元町|an clinic


