院長の想い
① 美容外科医を目指したきっかけ
私が美容外科医を目指すきっかけになったのは、20歳の頃に経験した、ひどいニキビでした。
ある日突然、顔中が真っ赤になるほどニキビが広がり、鏡を見ることも、人に会うことも辛くなりました。
何年も皮膚科に通院しましたが、なかなか改善せず途方に暮れて、当時の担当医に辛い胸の内を話すも
「ニキビでは死なないから大丈夫です。」と。
たしかに、ニキビそのもので命を落とすことは少ないかもしれません。
けれど、毎日その顔で過ごすことが辛い。人に会うことが怖い。鏡を見るたびに気持ちが沈む。
見た目の悩みには「死なないから大丈夫」では片づけられない苦しさがあるのだと、身をもって感じました。
その後、自分で原因や治療について調べ、勉強し、必要と思われる治療をお願いしたところ、長く悩んでいたニキビは改善していきました。
この経験から、見た目の悩みは決して軽いものではなく、医学的な知識とともに、その方の気持ちに寄り添う姿勢が必要なのだと強く思うようになりました。
美容医療は、単に見た目を変える医療ではありません。
その方が鏡を見たときの気持ち、人と会うときの安心感、日々を過ごすうえでの小さな自信に関わる医療だと考えています。この経験が、私が医療を学びたいと思った原点です。
そして、理学部化学教室を卒業後、医学部に入学し直しました。
②麻酔科・救急科で学んだこと
私は、美容外科医になりたいという思いを持って医師になりました。
一方で、医師として生きていく以上、目の前で人が倒れていた時に、まず助けられる力を身につけるべきだとも考えていました。
そのため、初期研修では2年間のうち約半分を救命センターで過ごし、さらに救命センターの教授にお願いして、大学を離れるまで当直にも入らせていただきながら学びを重ねました。
ここでの学びは私の医師としての源流であり、今でも宝物です。
当時研修医であった私に、熱意とやる気があれば積極的にいろいろ経験をさせてくださった大阪市立大学医学部付属病院救急救命センター前教授 溝端康光先生をはじめ、当時のスタッフの皆様には大変お世話になり、今でも感謝しております。
その後は、麻酔科と救急を並行して学べる症例数の多い救命センターで専攻医として研修を開始し、1例でも多く経験しようと、昼夜を問わず研鑽を積みました。
救急では、限られた時間の中で全身状態を判断し、緊急時に必要な対応を行う力を学びました。患者様の状態は、常に教科書通りとは限りません。一見落ち着いて見える方の中に隠れた異常があることもありますし、予期しない変化にすばやく対応しなければならない場面もあります。
そうした現場で、全身を診ること、異変に気づくこと、そして安全を最優先に判断することの大切さを学びました。
麻酔科では、呼吸や循環を管理し、痛みや不安に配慮しながら、安全に医療を行うことを学びました。
処置や手術は、技術だけで成り立つものではありません。
患者様の緊張や不安、痛みへの恐怖をできる限り軽減しながら、全身状態を見守り、安全に進めることが大切です。
美容医療は、自由診療であり、見た目を整える医療です。
しかし、美容医療も医療である以上、安全性を軽く考えてよいものではありません。
救急と麻酔科で学んだ「全身を診る視点」と「安全管理の意識」は、現在の美容医療における私の土台になっています。
③ 美容医療で大切にしていること
私が美容医療で大切にしているのは、医学的根拠に基づき、やり過ぎず、自然に整えることです。
美容医療は、見た目を扱う自由診療です。
だからこそ、流行や感覚だけで行うものではなく、医学であり、科学であるという視点が大切だと考えています。
自然科学を学んできた私にとって、治療には必ず理由が必要です。
なぜその治療が必要なのか。
どの組織に、どのように作用するのか。
どのような変化が期待でき、どこから先は治療の限界なのか。
そして、その方にとって本当に行うべき治療なのか。
こうしたことを一つひとつ考えたうえで、治療を組み立てることを大切にしています。
また、美容医療では「変えること」だけが正解ではありません。
ときには、今は何もしない方がよい場合もあります。
ご希望の治療であっても、医学的な適応が乏しい場合や、期待されている変化と実際に得られる変化に大きな差がある場合には、無理に施術をおすすめしないこともあります。
私は、美容医療は患者様の言葉の中に治療の鍵があると考えています。
どこが気になるのか。なぜ気になるのか。どのような印象になりたいのか。
そして、どこまでは変えたいけれど、どこから先は変えたくないのか。
その言葉を丁寧に受け取り、医学的に可能なことと、控えた方がよいことを整理しながら、その方に合った治療を一緒に考えていきたいと思っています。
④痛みへの配慮にこだわる理由
私は、痛みがとても苦手です。
特に歯科治療に対して強い恐怖心があり、長い間、歯科医院に通えない時期がありました。
子どもの頃に受けていた歯科治療で、痛みへの配慮が十分ではないと感じる経験があったからです。治療中や処置中に痛みを感じても、十分な麻酔をしてもらえず、「痛い」と伝えること自体が怖くなるような経験がありました。
痛いと感じている本人にとって、その痛みは本物です。
私は、医療者が患者様の「痛い」という言葉を軽く扱ってはいけないと考えています。
それを「痛くない」と言われたり、我慢するものとして扱われたりすると、治療そのものへの恐怖だけでなく、医療者に痛みを伝えることへの不安も残ってしまいます。
私自身、大人になるにつれて歯科医院から足が遠のき、本当に歯が痛くなるまで受診できないほど、痛みに対する恐怖が大きくなっていました。
その後、きちんと麻酔を行い、痛みに配慮してくださる歯科医院に出会えたことで、安心して治療を受けられるようになりました。
この経験から、私は「痛みが怖い」「治療が怖い」という気持ちは、決して大げさなものではないと考えています。
美容医療でも、注射や処置に対して不安を感じる方は少なくありません。
「痛いのが怖い」「怖くてなかなか受けられない」という気持ちは、甘えでもわがままでもありません。
だからこそ、an clinicでは痛みや不安への配慮を大切にしています。
麻酔には時間も手間もかかりますし、適切に行うためには安全管理も必要です。
それでも、患者様に我慢を強いるのではなく、必要に応じて麻酔を積極的かつ安全に使用し、できる限り苦痛や不安を軽減した状態で治療を受けていただけるよう努めています。
麻酔科で学んだ知識と経験を活かし、痛みが怖い方にも安心して相談していただけるクリニックでありたいと考えています。
⑤an clinicで大切にしていること
an clinicでは、痛みに配慮し、医学的根拠に基づいた、やり過ぎない美容医療を大切にしています。
美容医療に興味はあっても、何を相談してよいかわからない方。
痛みが怖くて、なかなか一歩を踏み出せない方。自分の悩みが治療の対象になるのか、不安に思っている方。
過去に美容医療を受けたものの、十分に納得できなかった方。
そうした方にも、安心して相談していただける場所でありたいと考えています。
また、当院は個室完結型プライベートクリニックです。
この試みは、極力【同じ場所】で【同じ担当スタッフ】が対応することで不安の解消の一つになると考えております。
ですので、当院では院内をウロウロしたり、次の動きを考えたりする必要がありません。ご準備させていただいたお部屋でくつろいでいただいているだけで、スタッフが順次アテンドして診療から会計、施術までご案内してまいります。
お悩みを軽く扱わないこと。同時に、必要以上に不安をあおらないこと。
必要な治療だけでなく、今はしなくてもよい治療や、治療で目指せる変化、そして治療の限界についても、できるだけ正直にお伝えすること。
これらは、anclinicが大切にしている姿勢です。
美容医療は、必ずしも大きく変えることだけが目的ではありません。
その方らしさを損なわず、少し整えることで、毎日を少し楽に過ごせるようになること。
鏡を見たときに、前より少し安心できること。
年齢を重ねることを否定するのではなく、その方にとって自然で心地よい変化を目指すこと。
私は、そのような美容医療を大切にしたいと思っています。
ご希望があっても、医学的な適応がないと判断した場合や、安全性の面でおすすめできない場合には、施術をお断りすることもあります。
それは、患者様のご希望を否定するためではなく、美容医療を医療として誠実に行うためです。
神戸・元町・三宮で、美容医療が初めての方にも、これまで治療を受けてこられた方にも、安心して長く通っていただけるクリニックを目指してまいります。
an clinicが、見た目のお悩みを安心して相談できる場所であり、その方らしく年齢を重ねていくための小さな支えになれれば幸いです。
